■エスカレーター右を開ける問題
エスカレーターの右を開ける(関西は左?)を「急いでいる人用レーン」とする謎ルール。日本全国規模の様で、そうなってくると、右側ばかり「エスカレーターを歩く」人が増えて、損耗率が激しく、そもそも、エスカレーターは歩く様には作られていない。という謎ルールにまつわる結果報告。
実は、この謎ルール。駅などのエスカレーターにおける「最大の問題」を解消していると思う。それは。
「右が空いていることで「急いでいるヤツはこっちを歩けばいい」という心の余裕が生まれる」のだ。
これ、実際に満員電車で通勤している会社員であれば確実に理解出来ると思うのだが、電車に乗る際の順番待ち。こちらには非常に厳格なルールがある。 それこそ、ここ十年でホームには足元に各停、急行毎の待機レーンの枠線が描かれ、どのように並ぶかを指定される。それを破れば、厳しい視線に晒されるだけでなく、深夜帯等になればそれが理由で殴り合いになった現場に居合わせたことのある人は多いはずだ。実際に自分も「なんで喧嘩してるのかな?」と耳を澄ませたら、酔っ払いが割り込んだことが原因だった。
が。
エスカレーターの行列にはそれがない。それどころか、割り込んでくる人にかなりの確率で譲り合い、混雑時のホームのギスギス感の解消に役立っている。
これは「割り込んでまで先に乗りたい様な急いでいるヤツは右のレーンを歩けばいいじゃない」となり、「左に乗ろうとする人は歩かないで良いくらい時間に余裕があるのだから、割り込まれても怒っちゃいけない」という心理状況になるのだ。
厳密に言えば、左右に二人で乗ることが正しく、歩かない。これがエスカレーター的な正統なルールだと思う。が。朝のラッシュ……という混雑が存在する限り、そこにイライラや憤り、それに個人的な急ぐ理由は永遠に存在する。 その憤懣を結果的に若干でも解消しているのが、「エスカレーターの右を開けるルール」なのだと思う。
つまり、ルールを明文化し、エスカレーター前の行列を厳格な物にしてピリピリさせるのがいいのか、今のママで、割り込みOKなエスカレーター前が良いのか。トラフィック的な数字は正直分からない。
だが。個人的にエスカレーター会社は「右側のギアの摩耗を前提に入れたメンテナンス計画」を鉄道各社に提案することが大切なんじゃないか? と思う。